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こころ病む人はやさしい人

こころ病む人は、やさしさゆえに鎖の重さに耐えられない。だから、ふつうの人が気づかない鎖に気づくのです。つまりこころ病む人は、その鎖を断ち切るためにあえて選ばれた人なのです。

ワルシャワ・ゲットーとホロコーストユダヤ人大虐殺)を生き残ったマルタン・グレイという人が、自分の人生体験を「愛する者の名において」という本に書いています。

ホロコーストの後、人生を立て直し、財を得、結婚し、子どもたちを育てました。

ナチ収容所での悲惨な人生の後、人生は順調に進むかに思えました。

ところがある日、山火事が発生し、彼の住む南フランスの家が焼け、妻も子も焼け死んでしまったのです。グレイは、ふたたび自分を襲ったこの惨事に苦しめられ、発狂寸前になりました。

人々は、火災原因の調査を要求するよう彼をせき立てましたが、彼はそうする代わりに、残された自分の財産を投じて、このような火災から自然を守る運動を始めたのです。

そのことについて彼は、調査や究明は過去に目を向けるものでしかなく、痛み、悲しみ、非難しか生み出さないと説明しています。彼は未来に目を向けたかったのです。調査に乗り出せば、だれかを責めることになります。

グレイは言います。

「人生は、何かに敵対して生きるべきではなく、何かのために生きるべきものなのです」

グレイは理不尽な事故が起こった世界をゆるし、二度とそういうことが起こらないようにするために人生を献げました。

悩みがあるときには、「自分はなぜこんな性格になってしまったんだろう」「なぜこんなに苦しまなければならないんだろう」と、目が内側に向かいがちです。

でも、「これがいまの自分だ」ということをいったん受け入れて、そのうえで、「私には何ができるんだろうか」と目を外に向けることができたら素晴らしいと思います。

そのとき、私たちは親をゆるし、過去をゆるし、自分を受け入れることができます。

そのときから、私たちを苦しめてきた心の悩みや病は人生の宝物となるのです。